全録レコーダーが一般層に浸透しないわけ

これは僕の職務上、常に考えているテーマだ。

まず、みんなの思考をシュミレーションしてみる。

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あなた:一般的な成人男性

リビングにはテレビとレコーダーがある。
レコーダーは1~2ch録画できるものだろう。
製品選びで失敗したくないタイプの人はPanasonic製、テレビとリモコンを揃えたい人はシャープ製、録画という行為にコダワリがあれば東芝製、SONYファンならSONY製だろう。
あなたはレコーダーの自動録画予約機能を使ってたくさんの番組を録画している。
自動録画される番組が多すぎて、慢性的にハードディスクの使用量は限界近くだ。
ハードディスクの容量を空けるため、録画番組を見ないで消すこともある。

そんなあなたは「全録」と聞いてこう思う。
「自分で録画予約した番組でさえ見きれずにいるのに、全番組録画したって見きれないよ!」
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しかし、全録レコーダーのオーナーになってみれば分かるのだが、誰一人として全番組を見ようとして録画しているのではない。
どんな番組であってもいつでも視聴できる状態にしておくことで、番組表をチェックしたり録画予約作業したりといった不毛な作業から解放される。
見逃しなんていう前時代的なミスマッチから解放される。
放送後にあとからクチコミで話題になった番組を確実に視聴したり、大量の全録番組の中身を字幕によって検索して頭出し再生したりといった全録ならではの極めて贅沢なテレビ視聴体験を手に入れているのである。

しかし、この利点は体験したことのない人には想像ができない。

ましてやテレビである。
人は昔からの自分の習慣こそが最良だと思うものだ。テレビを見るという行為はあまりにも簡単であり、小さい頃から自分の身近にはテレビが存在していた。
自分はテレビについてよく知っている。
少なくとも自分にとって今のテレビ視聴方法が最適だと信じている。

そんな人にとって「全録」はToo muchなんだろう。
「大丈夫大丈夫。自分が見たい番組は現状でも見られているから。」
「そんなにテレビ見ないし。」
全録を未経験で、こんな言葉で自分を納得させる。

さて、では、こういう人たちを僕はどのように変えていけるのか?
今のところ、僕の答えは「使った人からの熱烈な推薦」が一番だと思っている。
広告なんかでは届かない心の奥に、友達が熱狂的に支持しているという話は届く。
そして友達の熱烈な推薦でグラっと心が動いた時に、「ちょっと試してみような」と軽い気持ちでガラポンTVをレンタルで簡単に試してもらう。
そんなシナリオで地道に世界を変えていくしかないのかな。と。
もっとドラスティックに変えたいけれど・・・。むぅ。

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